裏八祐ブログ

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ファーストクラスのトイレにみる日本の常識と世界の非常識。

日本でデスマーチが発生する理由とW杯コートジボアール戦のゴミ拾いの関係 - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

 

某航空会社ファーストクラス機内のトイレに貼ってある注意書き。f:id:hachiyuu:20130422011437j:plainこれに私はとても違和感を覚えるし、現場の努力を会議室の能無しが潰している典型例。

今日現在、日本ーロンドンのファーストクラスの料金がいくらか知ってます?

約260万円ですよ、260万円!!

たかだか飛行機に乗るだけで260万円も払ってくれる超お得意様に便所掃除させるの?!サービス業としてそれってどうなのよ?プライドないの?

もちろん現場のCAさん達は客に便所掃除なんかさせませんよ。客がトイレから出た後、どこからともなく現れてささっとお掃除してます、真夜中でも。トイレ渋滞して客が並んでいる時でも必ず汚れていないかチェックをしてから次の客を誘導します。てかトイレ渋滞しないような気配りも当然にしてます。

そんな現場の細やかな気配りも、この張り紙ひとつで全てぶち壊しに。乗客は、常に清潔なトイレをCAさんのおかげとは思わず、他の客が掃除してるからだと思っていますよ。260万円も払ったのにね。260万円。(しつこい)

 

空港ラウンジでも同様に「自分で片づけろ」の張り紙があります。

しかもファーストクラスラウンジで。

ちゃんとお片づけしてくれる従業員さんはいるんですよ。

言わずもがなですが、こんな張り紙あるラウンジは日本の会社だけです。

 

これ、機内もラウンジも、ビジネスクラスだったらまだこの貼り紙は許せます。ビジネスクラス程度のカネしか払ってないくせに威張ってんじゃねーよ!てな具合に。マクドナルドと同じです。サービスの内容は価格と比例します。

ま、海外ではビジネスクラス客に対しても手厚いサービスをしてくれますので、だからみんなそっちに流れちゃうんだよ。しかも値段は安いし。

世界一高額な料金のくせにこのサービス内容は無いよう。

 

先日に泊まったマヨルカセントレジスでは、専属のバトラーさんがつきます。

チェックインの時、女性のバトラーさんが私の手荷物を「お持ちしましょうか?」と訊ねた(スーツケースは別にベルが運ぶ)。そこで私はつい遠慮して断ってしまった。そしたらそのバトラーさんはほんの一瞬だがものすごく悲しい顔をした。しまったと思った。

海外では手荷物を預けないということは「あなたのことを信用してない」の意味になる。こっちとしては女性に荷物を持たせて男が手ぶらで歩く方が違和感だが、世界の常識はそうである。客に荷物を持たせる方がホテルとしては失格なのである。これは日本の高級ホテルでも同じだと思う。(そんないいホテル泊まったことないから分からんけど)

 

「仕事を奪ってはいけない」のは、なにもセレブに限ったことではない。

ロンドンのマクドナルドでは客に紙ナプキンを渡すだけの従業員がいた。中東ではトイレに常駐してひたすら掃除してる人がいる。ヨーロッパの有料トイレも同じ。日本のように定期的にお掃除しにくるのと違って、もうそこにずっと常駐している。中東はともかく、ヨーロッパのそれは(コスト面で)とても効率が悪い気がするが、でも世界はそうやって経済をまわしている。

 

日本人は、自分でなんでもやってしまう反面、人に物を頼む時には威張りくさる輩が多い。「俺は客だぞ」と言うくそおやじが典型例で、でかい声でぎゃーぎゃー喚くその姿はとても見苦しくて下品、スマートではない。これもひとえに「人を使い慣れていない」証だろう。

客と従業員、どちらが上でどちらが下というものではない。それぞれに演じる「役」の違いなだけである。だから相手の役を奪ってはいけないし、過剰に演じてイモになってもいけない。

 

日本のサービス業は世界一と自負するが、それは「貧乏人」や「おこちゃま」相手のことに限ってに思える。「大人」に対するサービスは、まだまだ後進国な気がする。サービスを提供する側もサービスを受ける側も、まだまだおこちゃまだ。

だからいつまでたっても不況から抜けられないんだよ。

日本はおこちゃまの国 - Chikirinの日記