裏八祐ブログ

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私はやもめの再婚には反対の立場

サブローくんといねむり先生のドラマ、結局見てしまった。男やもめにとっては、うーん、おすすめはあまりできないドラマだった、かな。

サブローくんが今も独身だったらね、いいと思うよ。著作も読みたくなる。でもね、再婚しちゃったからね。私にとって彼の言葉は何ひとつ響かないし、まったく参考にならない。

 

ドラマの中で、いくつか、嫌な気になるシーンがあった。それが原作通りなのか、ドラマ上の演出なのかは分からない。できればドラマだけの演出であってほしい。だってそれは、たとえば鬱病の人に「がんばれ」が禁句なように、死別で気落ちした人にとっては辛い言葉だったから。それは、普通の人からしたらなんでもない言葉、むしろ良かれと思われてる言葉なのだが、私はそれを言われたらどう返事をしていいか分からない。それが死別の苦しみを知ってるサブローくんの口から出た言葉とは思いたくない。

「お元気そうで」

という挨拶。これが、私にとってはとても辛い。

その理由をちょっとだけ話します。

私の見た目は、どんなに心が沈んでようとも健康優良に見える。だから相手も気軽に「お元気そうで」と言ってくる。そうそう、弔問をうけたときに私の身体をみて「健康に気をつけて……でも大丈夫そうね」と言った人がいた。全然大丈夫じゃない時にである。その半年後、その方は配偶者を突然に亡くされた。半年前には遺族の気持ちなんて全く分からなかったでしょうね。だからあんな軽口が言えたのでしょう。それがたった半年で同じ立場になってしまいました。今ならそんなことは絶対に口にしないでしょう。人生は何があるか分かりません。口の禍には要注意です。

話を戻しますが、「お元気そうで」「お元気そうね」の類は禁句ワードです。なぜなら、全然元気じゃないから。ちなみに「少しは落ち着きましたか?」もあまり好ましくないですね。理由は、何を以て「落ち着いた」と言えるかが当人には分からないからです。「相続諸々の手続きは落ち着きましたか?」などといった具体的な話ならこちらも普通に話せるのですが、ただ漠然と落ち着きましたか?と訊かれても、「いえ全然。」とは答えられないですからねえ。

どちらも「元気なふりをしなければならない」「落ち着いたように演じなければならない」というようなプレッシャーを強く感じます。そして3年くらい経ったら「いつまでもメソメソするな」的な圧力がかかりますからね。こっちとしては、いつまでも辛いし、いつまでも悲しいし、一生メソメソし続けます。それを否定されては困ります。

「いつまでもそんなんじゃあ、死んだ奥さん(又は旦那さん)が可哀そうだ。」とうセリフはその極みです。件のドラマで、このようなセリフも出てきたんですよね。しかも、いねむり先生の口からこの言葉が。これには怒りました。涙しながら怒りました。

たしかに、死んだ者からしたら嫌な記憶は「早く忘れろ」と思うでしょう。私も実際にそんなメッセージを妻から感じとっています。でもね、忘れられないんですよ、頭から離れないんですよ、闘病で苦しむ彼女のことが。私もサブローくんと一緒、彼女の苦しみに対して無力だった。生きて病院から帰すことを信じて辛い治療をさせたのに、彼女もそれを受け入れたのに、結局は死んでしまった。だったら苦しませずに逝かせるべきだった。もう治らないのに、強く願えば奇跡は起きると盲信してしまった。その結果、最愛の人を拷問の日々の末に逝かせてしまった。

忘れられるわけないじゃないか。

 

楽しかった時の想い出というのも、かえって辛いものです。その事を思い出すと一瞬は幸せな気分になれますが、「もう2度とあの幸せは来ないんだ」と激しく落ち込みます。幸せを思い出す方がかえって辛いんです。

 

表題と内容がずれてきたな。。。

まあとにかく、「サブローくんはその後、女優さんと再婚して新しい家庭も築いて幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし。」エピローグとしてここまで作りやがれ!

サブローくんが再婚したこと自体は非難しないが、いつまでも先妻のことを美談にしてんじゃねえよ!!お前さんを立ち直らせたのは、いねむり先生じゃなくて、今の奥さんだよ。死んだ女から新しい女に乗り換えたんだからさあ、そっちの話をメインにしろよ。

それが人としての流儀だろ。